本日はミステリはミステリでも殺人事件が起きない日常系ミステリ小説の本書の感想を書いていきたいと思います!
今回のはとっても有意義な読書だったので、記録としてブログに残したいと思います!
ぜひ不思議で温かい雰囲気が心地よかったので味わってほしいなと思います。
本書を購入したきっかけ
2020年1月。この本を見つけたのは友人と食事をするために集合した駅の近くのTSUTAYAで時間を潰している時です。
POPや広告で煌びやかに装飾され、打ち出されていた印象でした。
やわらかいタッチのイラストの表紙が可愛いなぁと思って手に取った時に帯に書いてあった「古書店でコーヒーを飲みながら、日常の謎を解いていく。」というキャッチコピーに魅力を感じました。
「あ、これ買お!」…即決っ!
※後々ネットで調べてみたら初版は2010年で表紙もぜんぜん違うみたいでした。私は今回の表紙でなければ手にとることもなかったと思うので、イラストレーターさんやデザイナーさんにはとても感謝ですね!
ほんのりとあらすじ
書評家の林雅賀が運営するミステリ小説専門の「蒼林堂古書店」。
店内には小さなカフェスペースがあり、本を一冊購入したお客さんはコーヒーを一杯無料で飲むことができるという一風変わったシステム。
百円以上の売買をした客には一杯の珈琲がふるまわれ、さらにカウンター席が空いていれば何時間でも居座れるというのが、この店のルールである。
乾くるみ 著 「蒼林堂古書店へようこそ」 P8
毎週日曜日にそこでコーヒーを飲みながら読書することが日課の常連客である大村龍雄を始め、高校生の柴田五葉、小学校教師の茅原しのぶ。
年齢も歩んできた人生もそれぞれの四人がコーヒーを飲み、読書をしながらちょっとした日常の謎のささやかな謎解きを楽しんでいく至福のピュアハート・ミステリ。
読み終えてみた感想
本書はあらすじの通り、とても至福で幸せな読書時間を与えてくれました。
14個の章で展開されていて、どの章でも日曜日に舞台となる書店に四人が集まることから始まります。
だいたい最後に到着するのがとても美人で紅一点の茅原先生。
そこから「今日はどんな本を買ったんですか?」という話題から会話がスタートします。
ミステリ好きたちのなんてことない日常的な会話がとにかくほんわかするんです。
毎回それぞれが持ち込んだちょっぴり不思議なお話をみんなで考察し、謎を解いていく…
あぁ、混ざりたい!この空間に混ざりたいっ!
しかも提示されるちょっとした謎解き単体で見ても結構レベル高くて普通に謎解きとして楽しめちゃいました。
そして本に精通しているマスター(林雅賀)は毎回のように常連のメンバー、そして読者におすすめの本を紹介してくれて、時代背景やシリーズとしての特徴なんかも丁寧に教えてくれます。
その数なんと…およそ60タイトルにも及びます。
各章の最後には「林雅賀のミステリ案内」として2ページほど話題に上がった本の解説がされいるのもとっても読者に親切だなと思いました。
これによって登場人物たちが楽しそうに話している本のタイトルや解説がわかりやすく書いてあるので、もし知らない作品であっても読者はちゃーんと理解を深めることができます!
終盤には各章に散りばめられた小さな小さな伏線を回収し、ハートフルな展開も待っています。
ちなみに作者の乾くるみさんは『イニシエーション・ラブ』など幅広い世界観に定評のある方です。

こんな人におすすめ
- 心ほっこりするお話が読みたい
- ミステリ小説が好き
- 気軽に読書したい
- 喫茶店で珈琲片手に読書したい
決して名作本格ミステリを読んだ直後のようなあの痺れるような感覚は得られませんが、読了した瞬間にちょっと口元がゆるんで斜め上を見上げてしまうような、そんな雰囲気が本書の魅力的な部分だとおもいます。
ほんとに読む人を選ばない作品なので、日頃お世話になっている人や友人へのプレゼントにも良いかもしれませんね!
ぜひ気になったら一読してみてください!