ホラー

異常性癖者が重ねる猟奇殺人 | 我孫子武丸 (著) 『殺戮にいたる病』

殺戮にいたる病
なかのせ
なかのせ
なかのせですっ!
今回は非常にグロく、恐ろしい小説である『殺戮にいたる病』についてです。

読んでいて気分が悪くなるし、逆にゾクゾクすることもありました。

本書を購入したきっかけ

この本をしったのは「胸糞悪いくらいエログロい」小説を探していた時ですね。

ネットでグロい内容の小説を求めて検索を続けた結果、本書の存在を知りました。

その後いつもの利用させていただいている古書店で見つけて購入したんですが、なんと「サイン本」じゃないですか!

「○○○様 我孫子武丸」と以前の持ち主と著者の名前が書いてありました。

もちろんサイン本をゲットするなんて初めての経験だったので、私のところにやってきた巡り合わせに少々感慨深くもなりました。

著者 我孫子武丸

1989年、『8の殺人』で小説家デビューしました。
速水三兄妹・人形シリーズなどのコミカルタッチや女性視点の作品から、腐蝕シリーズ・『殺戮にいたる病』などの重いタッチの作品まで、幅広く手がける。また、漫画作品『半熟探偵団』の原作も手がける。

代表作

  • 『8の殺人』 1989年 このミステリーがすごい! – 18位
  • 『探偵映画』 1992年 このミステリーがすごい! – 16位
  • 『殺戮にいたる病』 1993年 このミステリーがすごい! – 16位
  • 『弥勒の掌』 2006年 本格ミステリー・ベスト10 – 3位

過去にはゲームシナリオや漫画シナリオといった活動もしています。

ほんのりあらすじ

主人公の「蒲生稔」は東京の繁華街で次々と猟奇殺人を重ねる。

動機は1つ。「真実の愛をつかみたい」

次々と女性に声をかけてはラブホテルに連れ込んでは絞殺し、死姦する。どうにか家に持ち帰って愛でたいという理由で女性の死体から乳房や子宮を切り取り、家に持ち帰っては舐め回すのだ。

一方で刑事を定年退職し、妻にも先立たれてしまった「樋口」は、自分のことを心配してよくしてくれいてた女性が猟奇殺人の被害者になってしまったことから事件を追いかける。

そのまた一方で稔の様子がおかしいと感じた母「雅子」は彼の外出中に部屋を物色する中、とんでもないものを見つけてしまう。

稔・樋口・雅子の3視点からこの恐ろしい物語が語られていく。

殺害シーンやラストシーンは猛烈に記憶に残る衝撃を受けるでしょう。たぶん一生忘れない。

読み終えた感想

結論を一文字で書くとするなら、「唖然」でしょう。

女性を殺害して死姦でオーガズムの快感に恍惚とした直後、冷静に乳房や子宮を取り出す解体ショーの情景を綴った文章は、とても胸糞悪く吐き気を催す。

しかし一方で、マンガや映画なんかでは絶対に表現されない小説ならではのゾクゾク感や興奮に胸がドキドキしてしまうのです。

首の下を通して黒い革のベルトを彼女の首に巻き付け、両手でそれぞれの端を握りしめた。…中略。
少女は海老のように跳ねたので、挿入したままのペニスがちぎれそうに痛んだ。
『殺戮にいたる病』 P103

それくらいに死を眼前に喘ぎあっけなく死んでしまう被害者女性たちの書き込みが生々しいのです。

そんなヤバイ殺人を実行に移してしまうほどの、もはやホラーを超越して神聖な儀式でも見ているかのように思えてしまえるほどブッとんでいる主人公のサイコ性。(主人公は真実の愛を見つけるための神聖な行為だと思っている)

まさにタイトル通り、これは「殺戮にいたる病」と言わざるを得ませんね。

 

しかし、上記で私がこの本の感想を一言であらわすと「唖然」と書きました。その理由はやはり本書のトリックにあります。クライマックで知らされる真実は、前述したこの作品の見どころであるバイオレンスな描写を見事に包み込んだまま、読者が必死に作り上げてきた世界を崩壊さてしまう。

もうね、真実を知っらされた瞬間に必死に記憶を遡り、その上でどこからツッコんでいいかわからなくなってしまいましたよ!

本書をきっかけに、過激な性描写や殺害シーンの描かれた小説をもっと読んでみたいと思うようになりました。(別に変なことじゃありませんよね…?)

おすすめポイント

  • バイオレンスなエロ描写
  • グロテスクな表現
  • ラストのどんでん返しで痺れる

まあ、ここまで書いて言うのもアレですが…
私は普通の友人にはこの本はおすすめしないと思います。刺激が強く、中毒性のある非常に危険な一冊だからです。

ある程度グロ耐性がある方は読んでみることをおすすめします。まだ知らぬ価値観が見つかるかもしれませんよ?