さて、今回は宮部みゆきさんの『レベル7』!
ボリューム感のある長編サスペンス小説について書こうと思います。
どうやら1994年と2012年に映画化されているみたいですねー!
本書を手に取ったきっかけ
2019年3月くらいのこと。
何読もうかなぁと考えていると、
まだ幼いころ、お母さんに「好きな作家は誰?」と
聞いたら「うーん、宮部みゆき」と言っていたことを思い出した。
きっかけなんてその程度のもので、図書館へGO!
ずらっと並んだ宮部みゆきの作品を見ていくと、時代小説っぽいものや、
結構難しそうなタイトルが多い。
「読みやすくて一冊で完結しているのがいいなぁ…」
そしてたまたま手に取ったのが本書『レベル7』だったのです!
読みやすいのとか言っておきながら700ページくらいあって
結構ボリューミーな長編小説ですけどねっ。
ほんのりとあらすじ
〈レベル7まで行ったら戻れない〉。謎の言葉を残して消えた女子高生と、
腕に「Level7」の文字を持ち、すべての記憶を失って目覚めた男女。
少女を捜すカウンセラーの追跡行と、男女の自分探しが交錯するとき、
かつてない凶悪事件の闇が暴かれる。
新潮社 https://www.shinchosha.co.jp/book/375006/
記憶を失った主人公。
記憶、視力を失ったヒロイン。
なにが起こっているのか。
重大な事件に巻き込まれているのかもしれない。
という当然の動機で二人は手掛かりを探し行動します。
一方、
謎の言葉を残して消えてしまった女子高生。
その行方を捜すカウンセラーの女性。
あの子が突然姿を消すなんて。
何か大きな事件に巻き込まれているかもしれない!
以上の二視点で展開されていきます。
お互いに手掛かりを追ううちに、お互いの存在、
そして真相に近づいていくことになる。
ざっくりこんな感じです。
宮部みゆき
父から、落語や講談の怪談噺を聞かされ育ち、映画好きの母からはハリウッドの黄金期の映画、例えば『恐怖の報酬』、『鳥』、『サイコ』などの話を子供時代からずっと語りかけで聞く。
高校卒業後、2年間のOL生活、その後法律事務所に5年間勤務した後に小説家を目指して小説作法教室に通い、本格的に小説家への道を目指していきます。
『模倣犯』や『ブレイブ・ストーリー』など、多くの作品がドラマ化や映画化などメディア・ミックスされており、日本を代表するエンターテインメント作家として人気を博している。
作風
時代小説、ミステリ小説、ファンタジー小説といった幅広い作品で数々の賞を受賞されている。映像化された作品もヒットしている印象があります。
私個人的には学生の頃にアニメ映画化され『ブレイブストーリー』のイメージは強くありますね!
代表作
- 火車
- 我らが隣人の犯罪
- 模倣犯
- あかんべえ
- ソロモンの偽証
- 長い長い殺人
- パーフェクト・ブルー
- ブレイブストーリー
私の母親が好きだったというだけあって実家に何冊かあったタイトルを読んだことがあります。当時小学生くらいだったのでやたら難しかった印象があります。
読み終えてみた感想
結構な物理的ボリュームを感じさせないテンポで読み進める手がとまりません!
宮部みゆきさんは場面の視点操作などをキャラクターのセリフで展開する手法がとても得意ということで、頭の中で今起きている状況を絵としてイメージしやすかったです!
これは読者の好き嫌いもあると思いますが、私の肌感覚でそう感じました。
マンションから出た時に景色や建物の外観、登場人物の見た目や性格がすんなりと自分の中に落とし込まれていくので、難しい話だけど迷子にならない。
内容としては、二つの視点から展開される物語に対して私(読者)は両者はどのように関わり合って収束していくのだろうか…常に気になり続けます。
ましてや主要な登場人物たちは何が何だかわからない状態から様々な手がかりを頼りにクライマックスで核心に迫っていくわけですが、少しずつカラクリが明らかになってくる展開なのでそりゃページをめくる作業が止まりません!
ロードノベル要素も若干ですが感じることができるのでより登場人物たちに感情移入しやすい点も面白いと思いました。
最後は広げた風呂敷をちゃーんとたたんでくれるので安心してください。
こんな人におすすめ
- 宮部みゆき作品を読んでみたい
- サスペンス調のミステリ小説が読みたい
- 時間をかけてじっくり読書したい
- 映画化された作品の原作に興味がある
- 徐々に謎が解けてくる気持ち良さを味わいたい
本は厚いけどその分内容も厚いので、ぜひ気になったら避けずに読んでみてほしい一冊です。