今回は本格ミステリの大本命。
『十角館の殺人』について書きたいと思います。
この本はミステリの話題になると必ずと言っていいほど登場するほど有名ですよね。「おすすめミステリ」なんてググろうものならすぐにヒットします。
それくらい多くの人に愛され評価されている本です。
本書を手に取ったきっかけ
まだ本格的に読書を始めたばかりの頃、無難に評判の良いミステリ小説が読みたいと思ったことが理由です。調べている段階で書評ブログを何個か読んでみましたが、本書はどの記事でもレジェンド級の扱いを受けていました。
確定しました。今私が読むべきミステリはこれだっ!
著者 綾辻行人
1960年12月23日生まれ。
新本格ミステリー作家として知られる。京都府京都市出身。
妻は同じく小説家の小野不由美。
本格ミステリ作家クラブ執行会議。
日本推理作家協会会員。元本格ミステリ作家クラブ事務局長。
作風
多くの作品にストーリーの構図を大きく転換させるどんでん返しが見られる。
ホラーや幻想文学の影響が色濃く、ミステリーだけではなくホラー作品を多く著している他、本領のミステリー作品においても心象描写の多い叙情的な文体を用いる。
代表作
館シリーズ
- 十角館の殺人
- 水車館の殺人
- 迷路館の殺人
- 人形館の殺人
- 時計館の殺人
- 黒猫館の殺人
- 暗黒館の殺人
- びっくり館の殺人
- 奇面館の殺人
囁きシリーズ
- 緋色の囁き
- 暗闇の囁き
- 黄昏の囁き
殺人鬼シリーズ
- 殺人鬼 覚醒篇
- 殺人鬼 逆襲篇
Anotherシリーズ
- Another
- Another エピソードS
- Another 2001
ほんのりとあらすじ

1986年3月26日、大分県K**大学・推理小説研究会の一行は、角島(つのじま)と呼ばれる無人の孤島を訪れた。彼らの目当ては半年前に凄惨な四重殺人事件が発生した通称・青屋敷跡と、島に唯一残る「十角館」と呼ばれる建物である。彼らはそんな島で1週間を過ごそうというのだ。
一方その頃、本土では、研究会のメンバーに宛てて、かつて会員であった中村千織の事故死について告発する怪文書が送りつけられていた。怪文書を受け取った1人である江南孝明は、中村千織の唯一の肉親である中村紅次郎を訪ねる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
読み終えた感想

私は当時、綾辻行人の作品は一冊も読んだことがありませんでした。
それに加えてネットでの本書の評価はものすごく高く、自然と私の中の期待値も上がっていたことを覚えています。
結論ですが、最高でした。
控えめに言って過去最高の鳥肌だったと思います。
孤島・クローズドサークル
本書は、クリスティの『そして誰もいなくなった』のオマージュとよく言われていますが、別にそれを読んでいなくても十分楽しめます。

孤島の館で起こった殺人事件という「クローズドサークル」の舞台や次々と登場人物達が殺されていく様子などからも『そして誰もいなくなった』をリスペクトしていることが伝わります。登場人物達の会話からもそれらは伺えました。
2つの舞台で平行して進む
舞台は推理小説研究会のメンバーが過ごし、事件が発生していく「孤島」と、不思議な手紙を受け取った主人公が謎の解明に動き回る「本土」の描写が交代で描かれています。
実際に「十角館」で殺人が起きている現場での緊張感や、これからの展開が気になる「孤島」サイドがとても面白い!
お互いが疑心暗鬼になり、お約束の名探偵役が立ち上がり、推理小説研究会らしく事件を歴代のミステリに例えながらの掛け合いが楽しくて仕方ありません!それぞれのキャラクターの個性も際立っていました。
読んでいて断然ワクワクします。
一方、「本土」サイドでは主人公が友人と共に「十角館」の製作者の謎を調べて歩き回るおお話がメインとなります。
明らかに事件のキーとなる大事なパートだろうな。と頭ではわかりつつも、やっぱり「孤島」の描写が面白すぎるせいでなんだか退屈に感じたのが正直なところです。
衝撃の一行
本書に関するどの書評や感想を読んでもこの「一行」について語られていると思います。
まるで呪文のような一行。
たった一行で私は全てを察することになりました…。
このシーンを読んだ時の鳥肌を思い出しながらこのブログを書いている今も鳥肌が立っている始末です。
これ以上は語れません。人気な作品なので、ネタバレ考察などもネットにはたくさんありますが、一切の事前知識も入れずに本書を読むことができた私はラッキーだったかもしれません。
おすすめポイントはこちら
- 綾辻行人の本を読むならまずはこれ
- 初心者でも楽しめるミステリ
- トリックやオチで衝撃を受けたい
- 皆が絶賛する大人気作品
ネタバレの包囲網を潜り抜けて読了してほしい一冊でした。
ぜひ楽しいミステリライフを!